3月19日(水)13:00~NHK BS
で、当ブログで以前ご紹介した
『めし』(1951年/監督:成瀬巳喜男)
が、放映予定です。
「あなたは私の顔を見るとおなかがすいたってことしかおっしゃれないのね」と夫に不満を漏らす妻。そんな倦怠期の夫婦のもとに奔放な夫の姪が転がり込んで来て波風を立てます。
『めし』の記事の中で、わたしは物売りが何を売りに来たかを推測すると面白いと書きました。答えが映画の中に出てくるわけではありませんが「米」でおそらく間違いないでしょう。
正規のルート以外で売買される米はヤミ米と呼ばれ、映画の中でも非合法な取引の存在を認めるような描写が避けられたのだと思います。正規ルートでは必要な量が手に入らないため、米は秘かに売買されていました。ただ、こうして米を持っている側から売りに来たのを断っているところを見ると、この頃は戦後すぐのように無理をしてでも買いたいほど米が手に入りにくい状況ではなかったと思われます。
令和の米騒動、価格高騰を当て込んでの買い占めが原因、そもそも需要を満たしていない、などと言われ、目下のところ米の価格は落ち着く気配がありません。その中でお米が安定的で平等に手に入るよう「米穀通帳」を復活させてはどうかという声もネットでちらりと眼にしました。
お米の通帳のことまで書いているとキリがありませんが、正規ルートでお米を手に入れるために交付されていたものです。『野良犬』(1949年/監督:黒澤明)『飢餓海峡』(1964年/監督:内田吐夢)など、昭和20年代が舞台の日本映画には度々出てきて、身分証明書代わりに使われていたこともわかります。
まさかいまお米でこんなに困ることになるとは。早く安心しておなか一杯食べられるようになってほしいものです。
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